佐野新聞店
地域密着型の新聞店|沼津市の佐野新聞店
テレフォン説法第三十七号
Blog

  • Category

    カテゴリー


  • Archive

    アーカイブ

2010.04.12 テレフォン説法

テレフォン説法第三十七号

お世話になります、佐野新聞店です。真楽寺・勧山先生のお送りするテレフォン説法、今日は昭和60年一月号です。

テレフォン説法第三十七号(昭和六十年一月)

 

 あけましておめでとうございます。

 

 百八の煩悩を押し流す除夜の鐘と共に、愈々(いよいよ)昭和六十年の開幕です。

 今日は高浜虚子の俳句

 

 去年今年(こぞことし) 貫く棒の如きもの

 

虚子のこの句は一代の名吟といわれました。山本健吉さんの「ことばの歳時記」を読んで俳句の新年の季語「こぞことし」の意味を教えられました。

 

 山本さんは"この句が作られてから、去年と今年のつながりは、一本の「棒の如きもの」と実感されるようになったといいます。人の生涯もどんなに紆余曲折があろうとも、結局は歳月を「棒」と感じ入るところに、人生の達人の達観があるのであろう"と書いています。

 事実、大晦日と元日とは隣り合っている一日で、そこには何の違いもありません。ただ人間が一年の最後の日を大晦日、その翌日を元日というだけです。しかし永い人生を送る上で、時の流れに一つの区切りをつけることは必要でしょう。

 最近の社会情勢は一年一年が大きく変化しそれに従って個人の生活も、山坂の多い時代になりました。しかし過ぎ来し方を振り返ってみれば、その人その人に一貫して流れているものがある筈です。

 前回お伝えした諸橋徹次さんの生涯は、まさに大漢和辞典13巻の編集という一本の棒で貫かれています。その35年という長丁場の間には、一万五千ページの原版が空襲で焼けてしまった事もあったし、90人の助手の内、4人は亡くなっています。最後には自分も視力を失い、失明に近い状態で、然も尚、意欲を燃やし続けた99年の生涯は誠に立派です。

 

 スポーツ界では年令が30代後半といえば、既に峠を越しています。その中で暮れも正月も無く練習に努め、成果を挙げている人がいます。プロ野球の衣笠選手。彼はこの十八日で37才。ゲーリックの2130試合出場という世界記録へ追い付き、追い越せと意欲を燃やしています。

 ハンマー投げの室伏選手は衣笠よりも一つ上の38才。その室伏よりも更に一つ上が高見山で39才。入幕以来16年間を相撲界のトップ集団である幕内に踏み止まっていたご立派。彼の目標である「40才まで土俵に上がり、幕内力士として100場所達成」という悲願は遂になりませんでしたが、人気力士として土俵に生彩を添えてきました。

 

 この人達に共通しているのは、飽くことを知らないハングリー精神と、激しい努力です。

 臨調の土光会長はいいました。

 

「人は能力以上に働かなければならないという重荷主義を私は信奉する。人間を能力以下に置くのはむしろ罪悪である。過重な労働をかけ、その人の創造性を高めるべきだ。仕事の報酬は仕事である。そんな働き甲斐のある仕事を、みんなが持てるようにせよ」と叫んでいます。

その土光さんは何と87才まさに老年パワーというべきでしょうか。

 いずれにしても生涯に二度とない昭和六十年です。お互いに充実した一年にしたいものです。それには先ず健康でなくてはいけません。NHKの鈴木健二アナウンサーは申します。「健康は人間が自分に送ることのできる最高のプレゼント」であると。