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テレフォン説法第39回
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2010.07.24 テレフォン説法

テレフォン説法第39回

テレフォン説法第三十九号(昭和六十年三月号)

 

 テレフォン説法第39回をお送りします。

 

 三月に入れば、桃の節句、卒業式、お彼岸と続きます。そこで彼岸の意味を考えて見ましょう。

 不寒不暑の春分の日を中心にして一週間が彼岸です。先祖の墓にお詣りをする風習があるので、ご先祖週間でもあります。

 わが国の風土の特性を生かして、仏法の理想が日本人の心の中に千年以上も続いてきたことは、仏教を日本人の季節感に巧みに溶かし込んだ見事さにあると思います。

 彼岸は読んで字の如く彼の岸、対岸のこと。迷いの此岸から、煩悩の河を渡って、目標である悟りの彼の岸へ、どれだけ近づき得るかそれが課題です。

 彼岸は三月と九月と年に二回あります。つまり半年ごとに自分の前進向上の目標を決めその結果を仏前に報告して、過去を反省し、更に次の半年に向って、新たな努力を傾けます。どうかご照覧あれ - これが彼岸の意味であります。

 

 そのために大乗仏教の求道者が実践すべき六つの徳目(六度)の中に、トップに「布施行(ふせぎょう)」があります。これに対して、原始仏教の実践項目の第一は「正見(しょうけん)」正しく見ることです。一方が見ることから入るのに対し、他方が布施(与えること)から始まるのは、興味深いことです。

 

 昭和20年8月の終戦直後、マッカーサー司令官が厚木航空基地へ降り立った時、これで暫く吾々の目的も達成された-と言ったところ、サザーランド参謀長が、いや、我々は四つのものをこの国から奪わなければならないと言った。その四つとは 1、君臣の関係 2、父子の関係 3、主従の関係 4、師弟の関係であったといいます。その結果はご覧のとおりです。

 勝者が敗者を弱体化し、無力化するのは、古今東西を問わず歴史の示すところ。そのような時には常に錦の御旗が立てられます。

 自由、平等、権利、民主主義。しかしこれらは使い方によっては諸刃の剣のように、善悪両面に作用します。一時「文化国家」が大流行の時代もありました。

 

 他方、占領行政により旧来の陋習(ろうしゅう)が一挙に排除された面もあります。

 

 戦後40年、世界の情勢も大きく変わり、日本は物質的に豊かな国になりました。いま我々は自己と日本の現状を改めて自分の目で見直す時に来ているようです。

 女性がやたらに肌をあらわにしたり、生徒が教師を殴ったり、性道徳が乱れたり、家族関係が崩壊したり等々、親日の外国人さえも「日本人よどこへ行く」と、日本の現状を憂える著書を出しています。敗戦の後遺症?も何とかこの辺で脱却したいもの。

 

 およそ「正見」が八正道の第一の智恵です。ものを正しく、とらわれることなく見ることが如何に大切か。日本人が歩むべき道、世を生きる姿勢を、先ず正しく見極めることを彼岸としてはどうでしょう。

 自分というローソクが、どれだけの時間を燃え続け、どれだけの光を周囲に与えたかに人間の評価も集約されます。お互いに人生の彼岸に向って、一日一日人間浄化の道を歩きたいものです。

 

 春風や 仏を刻む かんな屑


1985年3月の出来事

つくば博が開幕

ソビエト連邦においてゴルバチョフ氏書記長に就任

国内初のエイズ患者を認定