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“Report” FromASAHI No:28
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2011.07.27 "Report"from Asahi

"Report" FromASAHI No:28

"Report"FromAsahi No.28

「政治資金パーティ」

 

 パーティー。何となく、楽しくなる言葉だ。政治部に入って10数年。数多くの国会議員の政治資金パーティーを見てきた。会場は例外なく高級ホテルの大広間。ほかの政治家の夜の日程を邪魔せぬよう、開始時間は6時台がほとんど。8時には終わる。

 入り口にただずむコンパニオンが、にっこり微笑んで飲み物を勧めてくれる。(「新聞記者だから」と気取って、一度も飲んだことはないが)

 所属する派閥の長やら有名な財界人やらが、考えつく限りの褒め言葉を、壇上に立ちっぱなしの主催者本人と奥様に浴びせ続ける。中身はまずない。

 一方、会場では政治家に挨拶して回る官僚の姿や、飲食に夢中になっているサラリーマンをよく見かける。会場に10数分留まっただけで、すぐ帰る人もざらにいる。

 一体、このパーティーに何の意味があるのか。それは名前の通り、資金集めだ。しかも、近年ではその存在が、ますます重要になっているという。

 12月、03年の政治資金収支報告書が47都道府県で公開された。政治家の懐具合の取材をして回ったときの話だ。

 不景気が続く昨今、企業は政治献金にシビアになっている。株主総会で問題視される場合もある。一方で、パーティー券の購入なら、その場限りのお付き合いにできるし、交際費名目での処理もできる。「献金はダメだが、パーティー券なら」という企業が最近は増えているのだという。

 

 パーティー券の価格は、1枚2万円が相場だ。これを政治家の秘書が企業を回って販売する。やり方は千差万別。ベテラン議員ともなると「固定客」が付く。5枚単位で買ってくれる「お得意さん」も多い。一方、若手議員や野党は大変だ。ある事務所は、「固定」「有望」「飛び込み」に分け、訪問や電話、郵送を組み合わせて対等しているという。そこの秘書氏は「新規開拓も大事。でも、全部訪問していては体が持たない」と話す。1度のパーティーで3千枚を売りぬくという。昔、「会社四季報」に載っている企業すべてにパーティー券を郵送した事務所もあったそうだ。

 

 であれば。政治資金パーティーは、パーティー券を販売した段階で、すでにその使命を終えているのだ。秘書氏も「会場に来るか来ないかは、大した問題ではない」と話す。

 永田町にいる大抵の政治家は「個人献金が中心になれば、どんなに良いことか」と話す。癒着がなくって、政治に感心を持ってくれれば、そりゃあ働き甲斐もあるだろう。

 でも政治家にだって、「1枚2万円だけど、買ってみようかな」と考えたくなるようなパーティー(もちろん、勉強会でも良いけれど)にする義務があろうというものだ。今現在、講師や内容を工夫している政治家は少ない。

 

朝日新聞社 牧野愛博