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テレフォン説法第二十四回
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2008.12.27 テレフォン説法

テレフォン説法第二十四回

 テレフォン説法第二十四回
 
 テレフォン説法第二十四回をお送りします。
 
 生死(しょうじ)のこと おごそかにして
 無常迅速なり
 光陰おしむべし 時ひとを待たず
 
誰しも若い時はこんな言葉を聴いてもピンときません。ところが定年近くなると、人間は行く末のことを考え始めます。
 レイ・ジョセフはこう言いました。
「神様は万人にひとしく一日24時間という時間を与えた。きのうの24時間はもはや手にする術も無い。あすの24時間はまだ手にすることは出来ない。いま君が手にしているきょう24時間を、どう有効に使うか、人生の勝負はその収支決算にある」と
 人間ひとしく一日24時間の中に生活していながら、一方には世界を動かす人物もいるし、片や自分一人をコントロールできない人もいます。時間とは不思議なもので、それ自体は水のように透明無色です。要はそれをいかに有効に使うか、上手に管理するかに係っています。
 今は亡き友松円諦氏は仏教会きってのお話の上手な人でした。戦後間もない頃、沼津で講演をお願いしました。ところが定刻になっても聴衆はまだ半分も集まっていません。私は何のためらいもなく先生に申し上げました。
「沼津時間でまた聴衆が少いから、もう15分ほど待ってください」先生は答えられました。
「定刻に来た人を待たせて、遅れてくる人に合せて開会すれば、この次には、いま定刻に来た人も遅れてくるようになる。それは兎も角、君考えても見たまえ、百人を一分待たせれば百分が無駄になる。三百人を十分待たせたら三千分が無駄になる。三千分といえば50時間に当るんだよ」
その言葉はまさに青天の霹靂であった
「いま会場に集まっている人を待たせてはいけない。君の納得のいく人数が集まるまで何か一席話なさい。私も聴かしてもらうから・・・」
 さあ大変な事になってしまいました。日本一の法話の名手を前にして、まだ30才そこそこの若僧の私が、何の用意もないままに、真打ち登場までの「前座」を勤めることになりました。冷汗三斗の思いであったことは言うまでもありません。
 しかしこの体験が私に二つのことを教えてくれました。一つは時間を大切にせよ。三百人を待たせれば50時間が空費される。
 第二は、いかつ如何なる場合にも、20分や30分のスピーチは即席でやれるだけの用意がなければいけないという事。この二つは私の人生にとって大変貴重な教訓となりました。
 時間を大切にし、且つ有効に使うということは、自分だけでなく、他人の生命も尊重することになります。吉川英治の言葉を借りれば「人生は往きはあるが、帰りのない片道切符の旅」であると申します。
 お互いに一期一会の生涯であります。「自分にしかできないような人生を演じたい」これは万人が念願し希望する処でありましょう。その為にも取り返しのつかない時間の重さを再認識したいと思います。
 光陰おしむべし 時ひとを待たず
今年もやがて暮れて参ります。どうかいい年をお迎えください