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テレフォン説法第二十一回
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2008.09.25 テレフォン説法

テレフォン説法第二十一回

  テレフォン説法第二十一回(昭和五十八年九月)

 

 テレフォン説法第二十一回をお送りします。

その昔、釈迦が祇園精舎に居られた時、国王に招かれて王舎城で説法をされました。お話が終ったのは夜になり、あたりは暗くなっていました。王様は釈迦の帰りの道が危なくないように、道の両側に沢山の灯明をつけて送ることにしました。

 このとき王舎城の城下に一人の貧しい老婆が住んでいました。自分も一灯を釈迦に供養したいと思い、なけなしの財布から僅かの油を買い求めて、これを灯火にして献じました。

 その晩、強い風が吹いて、すべての灯火は消えましたが、この老婆の捧げた灯火だけは、風の為に消えることなく、煌々として夜通し燃え続けていました。ここから「貧者の一灯、富者の万灯」という言葉が生れました。

 今の日本は家庭も社会も国も、余りにも物が豊かなために、心が忘れられてしまいました。すべてが金や物で片付けられているような気がしてなりません。

 金や物は大切です。これが無くては私共は一日も生きてゆけません。しかしその物、金をつくり出すのは人間であり、心であります。

 心ここにあらざれば 見えども見えず

 聞けども聞こえず 喰らえども

 その味をしらず・・・・と申します。

関西の小学生が作文に書きました。

 僕はお母さんが大すきだ。だから一生懸命に勉強して、いい大学を卒業して、いい会社へ入って、お金をたくさん貯めて、お母さんが年をとったら、とびきり上等の老人ホームへいれてあげたい・・・

 極端な例ではありますが、実際あった話です。心の伴わない物金がいかに空しいか。

 三年ほど前、フィリピンのマルコス大統領夫妻は、結婚25周年の銀婚式を迎えました。イメルダ夫人がこの日のために心に描いてきた、公称一億ペソ(三十億円)、実際には四億五千万ペソをかけた新築の大聖堂で、ローマ法王立ち会いによる銀婚式という計画は、教会の「ノー」という返事であえなくついえてしまいました。

 シン枢機卿の回答は「いまフィリピンの人々が望んでいるのは、豪華な祭壇よりも、コストの低い住宅と医療施設であり、一億ペソがそうした方面に使われた方が、より賢明ではないでしょうか」という立派な意見でした。

 これこそ「富者の万灯」に対する頂点の一針であります。

現在、経済大国と目されている日本が、東南アジアの発展途上国の目に、どのように映っているかを考えるとき、今こそ検討すべきは経済協力の在り方であると思います。

物、金の援助もさることながら、相手の国民の「心に響く協力」こそ必要であるように感じます。

 例えば、医師不足に悩んでいる国に対する国に対する医療援助は、最も感謝されるであろうし、日本の費用で、優秀な学生を希望する国へ留学させることも良いことだと思います。

要は貴重な国費が「富者の万灯」になることなく、相手国の中に一人でも多く「日本ファン」を育てることが、わが国にとっても望ましいことでありましょう。

 今日は「貧者の一灯、富者の万灯」についてお伝えしました。