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テレフォン説法第31回
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2009.10.27 テレフォン説法

テレフォン説法第31回

テレフォン説法 第三十一回(昭和五十九年七月)

 

 テレフォン説法第31回をお送りします。

少々古い話で恐縮ですが、一昨年の二月、ホテルニュージャパンで大火災、その翌日には羽田で日航機墜落という惨事が起きました。

 火災の時、テレビは燃えさかるホテルの生生しい実況を映し出していました。隣の窓から物凄い炎が柱のように吹き出している中で窓から身を乗り出した泊り客が、炎と煙にあおられています。ビルの九階からでは飛び降りることも出来ず、部屋の中に戻ることも出来ず、すさまじい炎は刻々と迫ってくる凄惨な場面を、ブラウン管は映し出していました。

 仏教でいう三定死(さんじょうし)。進むも死、止まるも死、退くも死、というのはまさにこの事です。地獄は決して遠いところではなくて、東京のド真ん中に在ることを痛感しました。

 かくして台湾からの旅行客を含む32人が、無惨にも犠牲になってしまいました。生きながら火葬にされた人々の思いはどんなであったでしょう。

 このとき頭に浮かんだのは「火宅無常の世界」という言葉です。親鸞聖人の歎異抄(たんにしょう)にこう書いてあります。

 

 「煩悩具足(ぼんのうぐそく)の凡夫、火宅無常の世界は、よろずのこと、みなもって、そらごとたわごとまことあることなきに、ただ念仏のみぞ、まことにておわします。」

 

 消防法に基く防火基準など、あって無きが如き欠陥だらけのホテルが、全国八万の旅館の中で、わづか三百の最優秀ホテルに登録されていたと聞いては、「みなもって、そらごと、たわごと、まことあることなし」と言いたくもなります。

 ところが欠陥ホテルの翌日は「欠陥操縦士」ときたから二度ビックリです。

 羽田沖で墜落した日航機の機長は「精神分裂症」でありました。その結果は死者24人、重軽傷者150人という大惨事です。

 全く他人事ではありません。精神障害のある操縦者に命をあづけて旅行しなければならないとすれば、それは気狂いに刃物以上で、人命軽視も極まったとしか、言いようがありません。

 最近の大事故の殆どが、機械と人間との接点で起こっています。機械が複雑化し、精密化すればするほど、これを扱う人間のストレスは高まる一方です。安全性を機械や構造だけに求めて、それを扱う人間自体を忘れると大変なことになる―という教訓を学び取らなくてはなりません。

 先日も賓客を案内して東京から沼津へ来る時、東京駅でこだまのグリーン券を買おうとすると「グリーン券は満席です」と断られました。ホームへ来て見るとグリーン車はガラガラ。車掌に聞くと席があるからどうぞ、という。結局三島駅で下車するまでグリーン車の客は十人そこそこ。これが人間の有り余る国鉄の姿とは思いたくないが、「人は少数で頑張れば、だれでも精鋭になる」という来島ドックの坪内社長の言葉もある。

 東京駅の出札係君よ、そんな小さなことと笑うなかれ、諺いわく「ネズミ壁を忘れる。壁ネズミを忘れず」仔細なことでも乗客の方はなかなか忘れてくれないもの。

 それは兎も角、近頃はあまりにも「そらごとたわごと」が多すぎるように思います。皆さんいかがでしょう。


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 つい先日の10月24日、沼津東急ホテルにて本テレフォン説法の著者であります、真楽寺住職および日本アイバンク協会最高顧問勧山弘氏の「ヘルシィ・ソサイエティ賞および今泉賞」授賞式が盛大に行われました。


 ヘルシィ・ソサイエティ賞(http://www.healthysociety-sho.com/は他者を助け、立場を超えた献身的な努力を社会に対して惜しまない方を対象とした賞で、非常に権威のある賞であると共に、人柄やこれまでの社会的功績を多いにたたえるものであります。

 また、今泉賞は日本で初めて目の角膜移植手術を行い成功させた今泉嘉一郎先生を記念とした賞であり、勧山先生はその第一回目の受賞者となりました。両賞とも、先生のお人柄、そして長年にわたるアイバンク活動のご功績に対しての受賞であります。

 当社の先代社長である佐野寛が勧山先生と同級であり、その友情から、共にアイバンク活動を推進し、テレフォン説法を当社の顔として広めさせて頂かせて以来、勧山先生には非常に大切な財産を受け取り続けております。勧山先生のテレフォン説法を二十余年に渡り、毎月皆様へ送り続けられることを非常にうれしく思う次第とともに、先生の今回の受賞を社主一同心よりお祝い申し上げたい気持ちでいっぱいです。

 これからも、テレフォン説法をお届け続けられることを大変うれしく思い、また皆様におかれましてもご高覧いただけることを心よりうれしく思います。引き続きのご愛顧、よろしくお願いいたします。

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